レヴィ=ストロース『悲しき熱帯Ⅰ』(川田順造訳)中公クラシックス             

第一部 旅の終わり

1.出発

「私は旅や探検家が嫌いだ」(p4)

2.船で

南アメリカへの船旅について。1941年の船旅の惨状について。

3・アンティール諸島

人類学の資料を誤解されて警察に捕まる。

4.力の探求

「私は二者択一の隘路に追い込まれる。昔の旅人として、目を見張るような光景――しかし、彼はそのすべてもしくは大部分を把握できないだけでなく、なお悪 いことに、嘲りと嫌悪を感じるのだ――に向かい合うか、または現代の旅人として、すでに消滅してしまった現実の痕跡を追って走り回るか。いずれの場合に も、私は敗者だ」(pp58-59)

第二部 旅の断章

5.過去への一瞥

「私がその後辿ることになった人生行路は、一九三四年秋の或る日曜日、朝九時に鳴った電話で決定された」(p62)

6.どのようにして人は民族学者になるか

法学と医学/自然科学と人文科学の人間性の違いの二律背反の中で民族学は特別席を占めていた。ヘーゲル的弁証法への違和感。フロイトとマルクスとの出会い。

7.日没

海の日没を描写する著者の美文が冴える。

第三部 新世界

8.無風帯

陸地は見えてきたがまだ新大陸には上陸しない。

9.グアナバラ

リオ・デ・ジャネイロに入った。

10.南回帰線を越えて

リオデジャネイロから西のサン・パウロへ。

11.サン・パウロ

サン・パウロの地理と人を書く著者の観察眼が光る。

第四部 土地と人間

12.都市と田舎

サン・パウロの歴史と現在について。

13.開拓地帯

ブラジル開拓小史。

14.空飛ぶ絨緞

カラチ(パキスタン)、ダッカ(バングラデシュ)、アカバ(ヨルダン)、デリー(インド)、カルカッタ(インド)など南アジアの記憶。

15.群集

カルカッタの人と社会について。

16.市場

カルカッタの人口密集地帯とまだ人口密度の少ない南米についての考察。

第五部 カデュヴェオ族

17.パラナ

初めてのインディオとの出会い。

18.パンタナル

カデュヴェオ族の集落へ出発。

19.ナリーケ

カデュヴェオ族の集落に入る。

20.先住民社会とその様式

カデュヴェオ族の文化風俗について。